知能数理研究室 牧野さん(D3)が学会で若手奨励賞を受賞(2024/3/8)

2024.04.19

豊田工業大学 大学院工学研究科博士後期課程3年 牧野晃平さん(知能数理研究室)が言語処理学会 第30回年次大会 若手奨励賞を受賞しました。

• 研究題目：訓練可能なK近傍Retrieverで関係抽出事例を導入したニューラルプロンプティング
• 受賞日：2024年3月8日

研究内容

ChatGPTに代表される大規模言語モデル（LLM）を，文章中の情報をデータベースのような扱いやすい形式にまとめ上げる関係抽出に利用する際に，文章外の情報を利用するための仕組みであるRetrieverを利用することで，抽出性能を保ったまま訓練データ量を削減する研究です．通常のRetrieverは情報を取捨選択するため，関係抽出の訓練でEnd-to-Endに訓練することはできません．そこで，取捨選択に利用されるk近傍法を微分可能な形式で記述して，関係抽出に特化したRetrieverを実現しました．このRetrieverの利用により，訓練データを減らしていっても，抽出性能を保てるようになり，データ作成のコストを抑えることに利用可能であることを示しました．

受賞コメント

言語処理学会年次大会の若手奨励賞は，400件以上の発表の中から4%程度しか選ばれない狭き門で，このような賞をいただけて大変光栄に思っております．大会賞の運営をしていただきました委員の皆様，および研究指導していただきました佐々木 裕 教授と三輪 誠 教授には感謝申し上げます．この賞は学部や修士の頃から憧れていたものの一つで，注目されている研究者の方が受賞しているのを見て，いつか自分もその域に達したいと感じておりました．自身の研究が認められて，憧れられるような存在に一歩近づけたような気がします．